いつかのバレンタインデー、とある地球連邦軍基地で、男性兵士にチョコを配り歩く女性兵士の姿がありました。
彼女の名前はショコラ・ガトー少尉。
なんと彼女、ソロモンの亡霊と恐れられたアナベル・ガトーの双子の妹。
性別は違えど、外見はうり二つなのです。
「チョコどうぞ! チョコどうぞ!
今年も、この基地の全ての男性のためにチョコを用意してきましたよ。
私は義によって立っているからな!!」
ショコラは毎年バレンタインデーになると、上官にも部下にも分け隔てなく、全員に義理チョコを配るのでした。
しかし、今年は少し様子が違っていました。
「チョコどうぞー!
ああ、これほど踊る心でチョコを配ったことがあるだろうか・・・うふふふふ。」
そう! 今年のショコラには、どうしてもチョコを受け取ってもらいたい相手がいたのでした。
そのラッキーな男性は、ホワイトベースで明らかに一人だけ浮いていたイケメン、スレッガー・ロウ中尉でした。
ショコラ 「中尉! ずっと好きでした、このチョコもらってください!」
スレッガー「うっ!
・・・すまない、少尉。君とは、つ、付き合えない。」
ショコラ 「何故です? 何故なんです?
その、うっ! ってうめき声は何なんです?」
スレッガー「お、俺は少尉の好意を受けられるような男じゃないんだ。」
ショコラ 「受けられない? どう言うことなんです?」
スレッガー「どう言うことって・・・
そう! 俺にとっちゃ少尉はまぶしすぎるんだな。
住む世界が違うんだ。うん、全然違う。」
ショコラ 「世辞はいい(恫喝)!
中尉は私のことが嫌いなんですか?」
スレッガー「いや・・・気持ちはすごい・・・嬉しかったんだ。
き、君みたいな子に好かれて、俺は世界一の幸せものだと思ったよ・・・」
ショコラ 「.:*・゜(n‘∀‘)η゜・*:.
心洗われました。死すまでお傍を離れません。」
スレッガー「今すぐ離れろ! 死ぬまでつきまとう気か!
お前とは付き合えないって言ってるだろ!」
ショコラ 「だって、中尉が嬉しかったって・・・」
スレッガー「スッパマンみたいな顔してチョコとか作ってんじゃねー!
あれか? このチョコの中にも梅干が入ってるのか?」
ショコラ 「そんな、ひどい!
そう言う自分は、声がスッパマンではないか!(TV版限定)」
スレッガー「・・・まぁ、いいでしょう。
とにかく、俺はスティーブン・セガール似の彼女はいらないのよね。」
エキサイトして声を張り上げるショコラとスレッガー。
その時、この騒ぎを聞きつけたエマ中尉が、二人を止めに入りました。
エマ 「スレッガー! ショコラ! やめなさい、男のヒステリーはみっともないわ! 」
ショコラ「・・・な! 私は女だぞ!!」
この事件の直後、ショコラは姿を消し二度と基地には戻ってきませんでした。
一説によるとデラーズ・フリートに亡命してガンダム試作二号機のパイロットになったとも言われていますが、定かではありません・・・
それから三年後の2月14日。
食料生産コロニー「ユニウスセブン」に何者かが核攻撃をしかけ、コロニーは大破。
この攻撃で24万3721人の命が失われました。
それに加えて、工場で製造されていた大量のチョコも人知れず宇宙の藻屑と消えました。
時に、コズミック・イラ70・・・
これが世に言う、「血のヴァレンタイン」事件です。
今日のネタはいかがだったでしょうか?
明後日はバレンタイン・デーです。
女性の皆さんは、意中の人に思いを告げられたらいいですね!
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